こんなことがあっていいのか?
れ…冷静に今考えてみても、
はっきり言って信じられないっす…。
、というか、これから書く内容は
ウソだろ?と思う人が大半だと思うが、
ソレがまぁ普通の反応でしょう…。
でも……長い人生、
すごい事が起きてしまうもんなのですね…!
ということで、クリスマスプレゼントに
新型VMAXを手に入れるまでの経緯を順を追って説明します。
しかし今日はまたひときわ暑いですね!
いや~それにしても夏のビールは旨い!
やっぱビールは夏ですね!
照り付ける日差しの中で、
クーラーボックスの氷水でキンキンに冷やしたバドワイザーをプシッ!と開けて
渇いた喉を鳴らしながら一気に飲むのは最高なのです。
しかもスカッと晴れた中、散々走り回って、大量の汗をかいた後だから尚更です。
やっぱり夏はイイ!
え…?あ~すみません、日本はまだ冬でしたっけ?
ハッハッハッ!いや失礼しました。
俺は今、オーストラリア西海岸のエクスマスという町にいるのです。
南半球はいま夏なのですよ!
初の海外からのブログ書き込みです。
日本語のパソコンが無くて苦労したけど、なんとかなるもんですね。
でも、デジカメの読み込みだけはどうにもならなかったので、写真が無いのが残念です。
なんでまたイキナリこんなとこにいるかと言うと、
うちのカミサンが昔ワーキングホリデーでオーストラリアに
滞在してた頃の友達の家に遊びに来ているんですね。
韓国人のその友達は、10年くらい前にオージーの彼氏と日本にも住んでいて、
その頃はよく俺も一緒に飲みに行ったり、VMAXで遊びに行ったりしてたのです。
5年位前に結婚して二人でオーストラリアに定住してて、
ずっと遊びに来い、遊びに来いと言われてたんですよね。
カミサンはずっと行きたいと言ってたんですが、
バイクも手放した経済状況で海外旅行なんて行けるワケねーだろ!
とそこは俺が逆切れしてささやかな抵抗をしてたんですよね。
まあホントに金もなかったし。
しかし先日、そんな状況が、そのオージーの旦那の一言で一変したのです!
今月頭くらいに、例の新型VMAX逆輸入の件で、
オーストラリア仕様の情報を得るのにその旦那ジェレミーに
「近所のバイク屋さんに聞いてみてくれないか?」
とメールしてみたら、
「09VMAXならライトプレーン仲間の友達が買ったって言ってたよ」
という驚きの回答が返って来たのです。
ちなみにジェレミーは観光ガイドみたいな仕事のかたわら、
小型飛行機で上空からホエールシャーク(ジンベエザメ)を捜索して、
ダイバーの乗るクルーザーに無線で場所を教えてやる、
というようなこともやってるらしいのです。
そして、さらに彼はこんなことまで書いてきたのです。
「そんなに気になるなら、乗せてくれるようにお願いしてやるから、遊びに来いよ!」
と!
…と、いう訳で、
新型VMAXのためならエンヤコラ、と、
磐田まで足を伸ばしたのと同じ位の勢いで、
いま、ここオーストラリアに来ているのであります!(笑)
思い立ったら吉日なのです!
猪年は猪突猛進なのです!
VMAX乗りは直線番長!
いつでもどこでもイケイケドンドン!なのですよ!
カミサンはそもそも行きたがってたし、
子供には「真夏のクリスマスやろーぜ!」で簡単に納得。
あとは会社を休んで国際免許の手続きをしたら、
エアライン勤務の知り合いに頼んで格安でチケットを手に入れるだけです。
ガソリンは随分安くなったのに燃油サーチャージがまだ高く、
しかも子供も大人と同額取られることにカミサンはぶーたれていたけど、
宿代とか現地費用はほとんどかからんし、問題なし。
さて、ここではそんな話はどうでもいいのです。
本題の新型VMAXのハナシです。
昨日23日の昼頃現地に到着してすぐにジェレミーに連れられて、
件のライトプレーン友達のウェインの家に行ったんですが、
なんというか…、壮大な地主でビビリました…。
どれくらい凄いかと言うと、
敷地内に飛行場がある位なのです!
趣味でライトプレーンに乗るとか言う話だったので、
まあそれなりに金持ちなんだろうと思ってましたが、
想像を遥かに越えた金持ちでした。
そして異様にガタイの良いウェインは、
俺と歳も同じで結構イナカ臭い目茶苦茶イイ奴…しかも大の日本車好き。
クルマはトヨタ、バイクはやっぱりヤマハなんだそうな。
ひとしきりヤマハ談義で盛り上がった後、
ウズウズしてる俺の様子に気付いて、ようやく新型VMAXのところへ。
そこはガレージ…というより、格納庫と呼ぶ方が相応しいような巨大な建物でした。
ちょっとボロい小型飛行機に、古めの角ばったランドクルーザー、
そして、初代VMAXが2台置かれた手前に
大事にカバーをかけられたバイクが一台…。
ウェインはジラらすように、
ゆっくり、大事そうにカバーを剥がした。
そこには、磐田、茂木に続いて三度目の邂逅となる奴がいました…。
小さめのウインドシールド以外はノーマル。
当たり前だがピカピカの新車だ。
ウェインと目が会うと、奴は無言のままキーを差し込み、右へ捻った。
ヒーン…という表現しづらい機械音とともに、
各所ランプが点灯し、タコの針がチェック動作を終える。
そしてセルモーターを回すとすぐにエンジンはスタートした。
アイドリングは正直ちょっと静か過ぎるんじゃないかと思ってしまったくらいだが、
スロットルを煽ると、驚く程低音の利いた排気音が響き渡った。
タンクカバー上の有機ELパネルでは、
スロットル開度表示モードの半円グラフが右手の動きに合わせて跳ね踊る。
文句なしの良い音に思わずニンマリしていると、
ウェインも同じように口の端で笑っていた。
ガレージのシャッターを開けると、外にはどこまでも青い空が広がっていた。
俺はウェインの了解を得てVMAXに跨がり、ゆっくりとガレージを出た。
バランスが良いせいか、低速でもさほど重さは感じさせない。
…その時目にした光景は…一生忘れられないっす…。
抜けるような青空の下、
目の前に横たわるのは、真っ直ぐに伸びる滑走路…。
まるで映画のワンシーンのようでした。
静かにアイドリングするVMAXに跨がったままウェインを見ると、
親指で滑走路の遥か向こうを指し、
ひと言・・・
"GO!"と言った。
アドレナリンが一気に分泌され、手にはジワリと汗を感じる。
数回スロットルを煽った後、
クラッチレバーを半分戻して感触を確かめつつ…俺は一気に加速した…!!
一瞬とも言える間に7000rpmに達し、シフトランプが点灯する。
2速にシフトアップし、スロットルをさらに激しく開けると、
フロントが浮きそうになる。
デジタルのスピードメーターには既に100km/h近い数字が表示されている。
しかし、あまりに強烈な加速に、小心者な俺は反射的にスロットルを緩めてしまった…。
いかに私有地内で無制限な状況とは言え、
わずか数秒で100km/h近い速度に到達するその強烈な加速に
気持ちよりも身体が先に恐れを為してしまったかのようだった。
そんなユルい走りだったので、180km/hにも満たないところで、
事前に言われていた滑走路脇の目印の地点まで到達してしまった。
砂が舞う滑走路で慎重にブレーキングし、
左足で一旦サイドスタンドを出して停車させた。
何と言うか、興奮と緊張で身体が硬くなっているように感じたので、
とにかく降りて伸びをしたかった。
強烈な太陽の下で、滑走路からの照り返しに目を細めつつ、
目の前に在るVMAXと滑走路以外には人工の物が無いという不自然さから、
VMAXの存在感が否応にも高まる。
今更言うまでもないが、
俺にとって、この新型VMAXは半端無く思い入れのある車輌だ。
奇しくも俺が初代VMAXをやんごとない事情ど手放したその数カ月後に
イキナリ何の予告も無く鮮烈にデビューし、
以来…本当であれば、バイクそのものから遠ざかっていたかもしれない
俺の心を3年以上に渡って捕らえ続けて来たのだ。
その新型VMAXと俺が、いまこうして
異国のしかも他に何も無い場所で対峙しているという奇縁に
気持ちはいやでもたかぶった。
やはり欲しい…コイツが…!
…その後、ウェインとジェレミーと俺は、
交代で何度もドラッグレース遊びに興じ、
俺も少しは感覚が掴めて来たところで日が暮れて来てしまった。
そんなワケで、昨晩はそのままウェインの家で
やたらと美人な奥さんの作ったフィッシュ&チップスとかのシーフードをご馳走になりつつ、
樽から直接注ぐワインを延々と、しこたま飲まされた(笑)
飲みながら今日はじめて体験した新型VMAXのことを語りまくった。
カタコトの英語で、
アンビリーバボー!だとか、
リディキュラス!だとか、
単語を喚いてただけだった気がするけど…。
そして、酔った勢いもあって、
俺は半分冗談、半分本気で聞いてみた。
「ウェイン!ギブミー・ユア・ヴィーマックス!プリーズ!」
…今時小学生だってもうちっとマシな英語を使うだろうが、
こんなのは気持ちが通じればいいのである。
すると、ウェインは酒で真っ赤になった顔を、
ジェレミーと見合わせ、二人で爆笑しやがった。
やっぱり冗談だと思われたか…と
俺もとりあえず爆笑した。
しかし、ウェインは信じられないことを言った。
「OK、よっぽど気に入ったみたいだからお前にやるよ!」
聞くと、
「来週にはカスタム用にもう一台納車予定だから大丈夫」
と言ってるようだが、そういう問題なのか…?
そしてウェインは思い付いたように付け足した。
「でも、タダでやるのも何だから勝負して勝ったら、ってことにしようぜ。」
「俺とジェレミーがオリジナルVMAXに乗るから、お前が09VMAXに乗れ。
3台同時のクォーターマイル・ドラッグレースで、お前がトップでゴールしたら、
クリスマスプレゼントで09VMAXをくれてやるよ!
その代わり、お前がトップになれなかったら、
あのガレージをスミからスミまでキレイに掃除しろ。
どうだ?やるか?」
ま、マジ…?
初代VMAXと勝負して、勝ったらくれるの…?
マルチ商法の説明会よりも、話がうますぎるじゃねーか!
しかし、ウェインはさほど泥酔した風ではない。
むしろ俺を試すようにニヤリと笑っている。
マジだ…。
俺は勿論即決した。
「Of course! やるやる!
あの新型で負けるワケねーじゃん!」
それを聞いたウェインとジェレミーは
不敵な笑みで目を見合わせてたが、
その時の俺にとっては、そんなことはどうでもよかった。
「よし、じゃあ勝負は明日な!」
そして、その後も酒をセーブすることは許されず、
結局ワインの樽が半分以上空いてしまうまで、
飲み続け…いや、飲まされ続けた・・・・。
こんなんで明日・・・乗れるのか・・・・?
思いのほか長くなったので続く・・・・
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