3月のVMAX国内仕様発表会にてお会いした川田さんから
「未確認フルパワー化情報」と銘打った興味深いメールをいただいたのは、
VMAX飲み会を翌週に控えた5月7日。
その内容はその時(また)飲んだくれてた俺の脳みそを覚醒させるのに
十分すぎるほど衝撃的なものでした。
(以下転載)
件名:「未確認フルパワー化情報」
国内仕様のネックの1つ、ECUの解除について。
国内仕様にヤマハの米国仕様の純正ECUを搭載してもイモビが悪さをしてエンジン始動はできません。
また同様に米ヤマハが独自で販売しているレース専用ECUも同じです。
これの解除方法を入手しました。
これはイモビ搭載の同様な仕様、スペイン、オーストラリア、ドイツ等のEU仕様と同じと思われます。
またレース専用ECUは純正よりもり安い上に、230キロ程度で動作するリミッターもカットされます。
実行はまだ米国より部品が届いておりませんが
人柱実行後、いずれ結果をお知らせできると思います。
(転載ここまで)
川田さんと言えば、前にも紹介しましたが、
先代VMAXを何台も乗り継ぎ、チェーンドライブ化を始め、カリカリのチューンを施した
VMAXでドラッグレースに参戦するプライベーターとしてはかなりのVMAXマニア。
正直、VMAXカスタムについては、
貧乏カスタムしかしたことない俺なんかは足元にも及ばない存在です。
(でもガリガリな妄想なら負けない自信があります笑)
本題に戻ると、まずレース用ECUというのは
アメリカで、US仕様であるSTARVMAX用オプションとしてのみ販売される
クローズドコース用リミッターカットECUです。
恐らく、アメリカではメジャーなドラッグレースなどに参戦する
プライベーター向けに用意されたものだと思いますが
US仕様の速度リミッター上限を引き上げる、ヤマハ純正の完全ポン付け商品です。
vmaxguru氏のダイノマシンテストでは
ストックECUが145mph(約233km/h)で頭打ちになるのに対し、
レース用ECUだと168mph(約270km/h)まで出たようです。
(参考)
http://www.vmaxguru.com/Tech/Gen2/Pages/Race%20ECU/Race_ECU.htm
(良く読んでないので数字とか間違ってたらすみません)
しかし、川田さんのメールにもあったとおり、このパーツはUS仕様専用であり、
仕様ちがいの欧州車輌はもちろん、日本仕様でもエンジンを始動できないそうです。
(イモビの有無によるのではないか、とも言われています)
実は、欧州仕様を所有するスペイン人、Spanish Flyer氏が
実際にレース用ECUを購入したけど、始動できず850US$を無駄にしたと嘆いていました。
■嘆きの動画「レース用ECU・・・アカン・・・・動かへん・・・・」
■ノーマルECUに戻すとちゃんと始動すんねんけどなぁ・・・ホンマ腹立つわぁ~、な動画
実はここまでの展開は俺も知ってました。
まあイモビの無いUS仕様ECUをその他の車輌に流用すんのは
そりゃ無理だよなあ~、と、あまりその後の経緯まで追っ掛けようとしてなかったのです(笑)
日本仕様が発表されてからは興奮のるつぼに突入したりしてたし。
川田さんは見てたんですねぇ~。
さて、話に戻ると、
それでも・・・・Spanish Flyer氏は諦めていませんでした。
詳しい経緯はこちらに書いてありますが、
無謀にも、使えるかも判らないレース用ECUに850USドルを散財し、
絶望の淵に突き落とされた彼に、世界中のVMAX乗りが手を差しのべ、
ヤマハの陰謀?を打ち砕くべく力を結集するのです(笑)
(以下俺流超訳)
「もちつけ!イヤ落ち着け!Spanish Flyer!」
「ちゃんと赤いマスターキー使ったか?」
「バッテリー外したらリセットされんじゃねーの?」
(かなり意訳&脚色してますw)
などなどヨーロッパはもちろん、アメリカやカナダからも
知恵と英知が注ぎ込まれます。
そんな中でフランスのiceman29氏から最初のヒントが得られます。
「まずは初心に戻ってUSと欧州で仕様が違う箇所をツメてこうぜ」
フランスといえば、周囲の欧州各国では200馬力のVMAXが、
同国独自の規制で、驚異の106馬力までデチューン最適化されたことでも有名です。
(注:フランス人は嘆いてないかもしれないし、106馬力でもVMAXは魅力的な車輌ですよ…多分w)
そんなお国事情もあるせいか、iceman29氏も徹底的に協力します。
「各国仕様のECUパーツNOを調べようぜ」
「サービスマニュアルを徹底的に見比べてみよう!」
とかやってる内に、
iceman29氏はある事実に気付くのです。
「ECUカプラーのピンアサインが違う」
地道なSM比較作業の末に得られたその事実に
Spanish Flyers氏をはじめとした一同は驚きます。
「マジ?たったそれだけ?」
「それって配線差し替えれば使えるってこと?」
「んなわきゃねーだろ」
「誰か試してみろよ…!」
(注:かなりふざけて書いてるので実際のやり取りとはやや異なります)
そこで話の中心は再びSpanish Flyer氏へと一気に集中してきます。
それもそのはず、
その時点で、それを試せるのは世界中で彼しかいないのです。
「人柱!人柱!」
「ちょっ…待って!電装壊れたらどうすんだよ!(Spanish Flyer)」
「万が一駄目なら俺らで金出し合って直してやるから!」
「フランスまで出張ってってiceman29と二人でトライしてみろ」
「俺…フランス人だけど、実はいまオーストラリアなんだよ…(iceman29)」
(注:かなりふざけて書いてるので実際のやり取りとはかなり異なります)
ここまで来たら、もはや後には引けなくなったSpanish Flyer氏。
ついに覚悟を決めて、ECUカプラーの配線差し替えを決行することにします。
そもそもスペインの仕様はノーマルでも200馬力ですから
レース用ECUを付けてもリミッター解除されるくらい(?)で、
散財はしたものの、正直そこまでのリスクを払ってまで
やるほどの価値は見出だせなくても不思議ではありません。
850ドルのために200万円以上の車輌をオシャカにしてしまうことだって考えられるのです。
プロとか、例のvmaxguruさん(上記ダイノマシン結果の人)ならいざしらず、
ECUの配線をイジるなんてのは、素人からしたら、
「爆弾処理の配線で赤か青かどっちを切る?」
くらいの脂汗モノな挑戦ですよ。(ちょっと言いすぎかも)
どれが何の配線かも判らないんですから…。
しかも結果はエンジンに火を入れてみないと判らない…。
最悪ECUだけでなく、それでなくても複雑なVMAXの電装系統をダメにしちゃうかも、
くらいは考えますよね。
しつこいですが、彼にとっては
上手く行っても230km/h以上の速度リミッターが解除されるだけなのです。
iceman29氏から提供されたピンアサイン図を元に、
一本一本・・・慎重に作業をするSpanish Flyer氏。
■写真で説明
その結果は…
■配線変更後に始動を試みる・・・・・うわ、めっちゃ緊張するわ~!、な動画
■やった!オカン~!やったでぇ!プップクプップー!、な動画
見事エンジンは始動!
その他動作に何の支障もなさそうです。
驚いたことに懸念されていたイモビライザーもどうやら機能しているようです。
イモビはこのメインECUではなく、別ユニットで制御してるのかもしれません。
そういやパーツリストでイモビ云々ASSYみたいのがあった気がします。
…と、いうことで、
Spanish Flyer氏は無事レース用ECUを欧州仕様車に導入できたのでした。
めでたしめでたし…と。
おっと!
肝心の日本ではどうなのか?という話を忘れてました!
(わざとらしいですか?w)
当然ながら、確実なことは言えませんが、
ほぼ間違いなく、カプラーの配線変更のみで
US用レーシングECUを日本仕様で「動作」させることは可能だと思います。
上記のスペインでの例よりも、その意味は遥かに大きいのは言うまでもありません。
欧州仕様200ps→速度リミッター解除
日本仕様151ps→200ps+速度リミッター解除
という根本からのECU仕様変更になる訳です。
実は上記の流れの中で、非常に気になる存在である
iceman29氏のフランス仕様ではどうだったのか?、
という話が、これを書いてる時点ではまだ出てこないのです。
逃げたのか(笑)、オーストラリアから帰国してなくてまだ試してないのかは
判りませんが、フランス仕様の106psがどこまで伸びるのかは、
まず一つの判断基準になるのではないかと思います。
そしてなんと!
前述の既にレース用ECUを個人輸入済みである川田さんの手元に
レース用ECUは既に届いているそうです。
(注:多分赤いVMAXのおもちゃは付属してないと思われます)
動きが早いですねぇ~!!!
残念ながら、まだ取り付けなどはできていないそうですが、
そう遠くない内にトライした結果を教えてもらえるはずです。
日本のSpanish Flyerとなる川田さんのご報告を、
膝をそろえてお待ちしてます・・・・・(笑)
【CAUTION!! ご注意下さい!】
この方法は未だ確立されていない、言ってみれば、まだ「机上の空論」的な話です。
川田さんによると、
恐らくECUだけ差し替えてもエンジンが壊れてしまうでしょう、とのことです。
日本仕様は欧州仕様と異なり、ECU以外にマフラーの中身も全然違います。
エンジン出力だけがアップしても、それに見合った排気系への変更が同時に行なわれないと
排圧が上がって、まさに「糞詰まり状態」となり、エンジンに過大な負担がかかる、
という話です。
給排気のバランスを取ることによって、はじめてフルパワー化が成立します。
無闇に真似をすると泣きを見る可能性が高いので、ご注意下さい。
当サイトでは本情報によるトラブルや事故などについて一切の責任を取りません。
【おまけ情報】
と、ちょっとビビらせておいて、さらに排気系に関するお話です。
既にご存知の通り、2010年4月からマフラー騒音規制が新しくなります。
大変に厳しい内容となる予定だそうで、走行中にオマワリ様にとっ捕まって
純正か、JMCA公認マークが無いマフラーでないと、
それだけで切符が切られるような事態が普通に起きる可能性もあるそうな。
(参考)
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20090427/1025802/?ST=yahoo_headlines&P=1
爆音マフラーをつけている人や上記フルパワー化にあたって、
違法なマフラーを考えている人は、悪いことは言わないので「止めておく」ことをオススメします。
相当厳しいマフラー騒音規制ですが、JMCA公認で
ノーマルよりも性能を向上するマフラーが出ることは十分期待できます。
俺も規制についてあまり詳しくないので何なんですが、
車体メーカー(VMAXの場合、ヤマハ)が車体認定を受ける際の規制値73db(加速騒音)は、
交換用マフラーの場合、82dbまで許されるという話です。
この9dbの差はマフラー屋さんによると相当大きいそうで、
メーカーが規制によりやむを得ず73dbに抑えたことによる性能を解放することは
リプレイスマフラーによって間違いなく可能なこととなるはずです。
更に言うと、現状では車検場の検査では加速騒音の測定はできないみたいですから、
近接騒音94db(だったかな・・・?)をクリアすれば、車検については問題ないはずです。
(ちょっと自信ないです。間違ってたらすみません)
具体的なマフラーのリリース予定は知りませんが、
自分が痛い目に遭わないためにも、そしてバイクのイメージがこれ以上失墜し、
さらなる規制がかけられないためにも、変な爆音マフラーは買わないことを
断固としてオススメする次第であります!
公道で違法な爆音マフラーを使用することは、
バイク乗りとしてとてつもなく恥ずかしいことです。
迷惑なだけでなく、自分で自分の首を絞めていく、非常に愚かな行為です。
今後のためにもお願いですから止めてください。
ちなみに輸出仕様VMAXのマフラーを使用すると、どうなのかはまだ判りません。
でも、なんとなく・・・・行けそうな気はしなくもないです。
ワイズギアから、ノーマルと同じ形状のリプレイスが出たりとか・・・・無いですよね(笑)
あとはチャンバーかー・・・。
【おまけ情報 その2】
川田さんがどこでどうやって買ったかは判りませんが、
レース用ECUは、多分こんなところで買えたりするっぽいですよ。
■こんなところ
まぁ、川田さんの人柱情報を見てからでも遅くは無い、というか
スワップ成功を見届けて、更にマフラーの目処が立ってからでも良い気はしますが。
で、実は既に川田さん以外にも買おうとしてる人もいるみたいなんですが、
ひょっとしたらまとめて注文したら送料とか安いかもしれません。
もし万が一!欲しい人がいたら共同購入的な取次ぎとかしたりできるかもです。
できなかったらすみません、という前提で希望者はこちらまで
(俺は一体なにをやってるんだろう・・・・)
以上、報告終わり!
いやー、無駄にストーリー仕立てにしてたら時間かかりました(3日もかかっちゃった・・・・笑)
我ながらアホですね・・・・
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